「曰く」という言葉、なんとなく見たことはあるけれど、正しい意味や使い方まではよく分からないと感じていませんか。
とくに「本人曰く」という表現はよく見かけますが、「本人曰くとはどういう意味?」「使っても大丈夫?」「失礼にならない?」と気になることもありますよね。
この記事では、「曰く」の意味や読み方、使い方をやさしく解説しながら、「本人曰く」の意味やニュアンス、目上の人やビジネスシーンで使うときの注意点についてもわかりやすくまとめています。
さらに、「曰く付き」「曰く言い難し」など、「曰く」を使った関連表現や言い換えも紹介します。
初心者の方でも安心して読めるように、できるだけシンプルな言葉で説明していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
曰くとは?意味を簡単に解説
「曰く(いわく)」には、大きく分けて2つの意味があります。
1つ目は、「言うことには」「~が言うには」という意味です。
たとえば「先生曰く、努力が大切だ」という場合は、「先生が言うには、努力が大切だ」という意味になります。
2つ目は、「隠れた事情や理由」という意味です。
「あの話には曰くがある」のように使うと、「その話には、表には出ていない事情や理由がある」という意味になります。
つまり、「曰く」は使われる文章によって意味が変わる言葉です。
曰くの読み方
「曰く」は「いわく」と読みます。
「曰」は「日」とよく似ていますが、別の漢字です。
「曰く」と書いて「ひく」と読むわけではないので注意しましょう。
曰くには2つの意味がある
| 意味 | 使い方 | 意味のイメージ |
|---|---|---|
| 言うことには | 本人曰く、~ | 本人が言うには |
| 隠れた事情や理由 | 曰くがある、曰く付き | 表には出ていない事情がある |
「本人曰く」のように人の発言を紹介するときと、「曰く付き」のように事情や理由を表すときでは、意味が異なります。
ここを理解しておくと、「曰く」という言葉をより正確に使えるようになります。
本人曰くとは?意味とニュアンスを解説
「本人曰く」とは、簡単にいうと「本人が言うには」「本人の話によると」という意味です。
第三者が、その人自身の発言を紹介するときに使います。
たとえば、「本人曰く、明日は休みとのことです」といえば、「本人が言うには、明日は休みだそうです」という意味になります。
「本人曰く」は、本人の発言を紹介しながら、話している人自身がその内容を直接断定しているわけではない、というニュアンスを出せる表現です。
本人曰くの意味
「本人曰く」の「曰く」は、「言うことには」という意味で使われています。
そのため、「本人曰く、~」という形にすると、「本人が言っている内容を紹介すると、~」という意味になります。
たとえば次のように使います。
本人曰く、今日は忙しいそうです。
本人曰く、仕事は順調とのことでした。
どちらも、本人の発言を第三者が伝えている表現です。
本人曰くにはどんなニュアンスがある?
「本人曰く」には、単に本人の発言を伝えるだけでなく、「本人はそう言っている」という少し距離を置いたニュアンスが出ることがあります。
たとえば「本人曰く、問題ないそうです」と言った場合、話している人が「問題ない」と断定しているのではなく、「本人は問題ないと言っている」と伝えている形です。
そのため、文脈によっては「本当にそうなのかは分からないけれど、本人はそう言っている」という含みを持つこともあります。
本人曰くは失礼?目上の人にも使える?
「曰く」そのものが失礼な言葉というわけではありません。
ただし、相手や場面によっては、少し距離を置いたような印象や、くだけた印象を与えることがあります。
そのため、目上の人や取引先などに対して使う場合は、文章の雰囲気に合わせて「~によると」「~とのことです」などに言い換えると安心です。
曰くの使い方と例文
「曰く」は、人や情報の出どころを示して、その人の発言を紹介するときに使います。
基本的には「○○曰く、~」という形で使います。
曰くの基本的な使い方
「友人曰く、この映画は面白いらしい」のように、人の名前や立場などのあとに「曰く」を置きます。
「○○曰く、~」とすることで、「○○が言うには、~」という意味になります。
「~らしい」「~とのこと」などと組み合わせると、本人の発言を紹介する形が分かりやすくなります。
本人曰くの例文
本人曰く、体調は問題ないそうです。
本人曰く、明日は休みとのことです。
本人曰く、仕事は順調とのことでした。
本人曰く、今は少し忙しい時期らしいです。
曰くの例文
友人曰く、この映画は面白いらしい。
先生曰く、努力が大切とのこと。
上司曰く、今回は慎重に進めるべきとのこと。
ネットの口コミ曰く、この商品は使いやすいらしい。
このように、「誰が言ったのか」を明確にすると、内容が伝わりやすくなります。
曰くはどんな場面で使う?会話・文章・SNSでの使い分け
「曰く」は、会話や文章などさまざまな場面で使われますが、場面によって受ける印象は少し変わります。
| 場面 | 使い方 | ポイント |
|---|---|---|
| 日常会話 | 友人曰く、~ | くだけた会話で使える |
| SNS | 本人曰く、~ | 発言を軽く紹介するときに使える |
| 一般的な文章 | ○○曰く、~ | 引用する相手を明確にする |
| ビジネス文書 | ○○によると、~ | より無難で丁寧な表現が使いやすい |
会話で使う場合
友人との会話などでは、「友達曰く、あのお店は人気らしい」のように使えます。
ただし、「曰く」は日常的な話し言葉として非常によく使われる表現というより、少し特徴のある言い回しです。
普段の会話では「友達が言ってたんだけど」「友達によると」などのほうが自然な場合もあります。
文章で使う場合
文章では、「専門家曰く、~」「本人曰く、~」のように、誰かの発言を紹介するときに使えます。
一方で、公式な文書やビジネスメールでは、「~によると」「~とのことです」などのほうが無難な場合があります。
SNSやカジュアルな文章で使う場合
SNSなどでは、「本人曰く、今日は忙しいらしい」のように、本人の発言を軽く紹介する使い方ができます。
ただし、「本人曰く」という言葉には、文脈によって少し距離を置いたニュアンスが出ることがあります。
相手を紹介する文章では、その点も意識しておくと安心です。
「曰く」は失礼?ビジネスや目上の人に使える?
「曰く」は、言葉そのものが失礼というわけではありません。
ただし、相手との関係や文章の目的によっては、別の表現にしたほうが自然な場合があります。
曰くそのものが失礼なわけではない
「曰く」は、誰かの発言を紹介するための言葉です。
そのため、「曰くを使ったら失礼」という決まりがあるわけではありません。
ただし、使い方によっては、相手の発言を一歩引いて見ているような印象になる場合があります。
目上の人に使うときの注意点
目上の人の発言を紹介するときに「○○曰く」と表現すること自体が、必ずしも間違いというわけではありません。
ただ、相手に敬意を示したい場面では、「○○がおっしゃるには」「○○によると」などの表現のほうが、より配慮のある印象になります。
相手との関係性や文章全体の雰囲気を考えて選ぶことが大切です。
ビジネスメール・文書ではどうする?
ビジネスメールや報告書など、かしこまった文章では、「曰く」よりも「~によると」「~とのことです」などを使うほうが無難です。
たとえば、「担当者曰く、明日には完成します」よりも、「担当者によると、明日には完成するとのことです」のほうが、ビジネス文章として落ち着いた印象になります。
曰くの言い換え・類語
「曰く」は、場面によって別の表現に言い換えることができます。
| 言い換え | 例 | ニュアンス |
|---|---|---|
| によると | 先生によると | 客観的で無難 |
| とのこと | 本人とのことです | やわらかく伝える |
| おっしゃるには | 先生がおっしゃるには | 敬意を含む |
| 聞いたところでは | 聞いたところでは、明日だそうです | 丁寧で落ち着いた印象 |
| ~だそうです | 本人は明日だそうです | やわらかい印象 |
「によると」
「によると」は、誰かから得た情報を客観的に伝えたいときに使いやすい表現です。
ビジネスシーンでも使いやすく、迷ったときの言い換えとして便利です。
「とのこと」
「とのこと」は、誰かから聞いた内容をやわらかく伝えるときに使えます。
「本人曰く、明日は休みです」より、「本人によると、明日は休みとのことです」のようにすると、丁寧な印象になります。
「おっしゃるには」
「おっしゃるには」は、目上の人などの発言を敬意を込めて紹介するときに使える表現です。
「曰く」よりも相手への敬意を明確にしたい場合に向いています。
「曰く付き」「曰くがある」とは?
「曰く付き」や「曰くがある」の「曰く」は、「言うことには」という意味とは少し違います。
ここでは、「隠れた事情や理由がある」という意味で使われています。
「曰く付き」の意味
「曰く付き」とは、表には出ていない事情や、何らかの理由があることを表す言葉です。
たとえば「曰く付きの物件」といえば、一般的には、その物件について何らかの事情があることを意味します。
そのため、「本人曰く」と「曰く付き」では、「曰く」の意味が違います。
「曰くがある」の意味
「曰くがある」は、「何か表には出ていない事情や理由がある」という意味で使われます。
たとえば、「あの店には曰くがある」のように使うことができます。
「曰く付き」の例文
この物件には曰くがあるそうです。
その土地は曰く付きの場所として知られています。
この話には何か曰くがありそうです。
このような場合の「曰く」は、「誰かが言うには」という意味ではなく、「事情や理由」という意味になります。
「曰く言い難し」とは?意味と使い方
「曰く言い難し」は、簡単には言葉にできない、はっきり説明するのが難しいという意味で使われる表現です。
読み方は「いわくいいがたし」です。
曰く言い難しの意味
「曰く言い難し」は、何かについて簡単には説明できないときや、言葉にするのが難しいときに使います。
「なんとも言いにくい」「簡単には説明できない」といったニュアンスです。
曰く言い難しの使い方・例文
この件については、曰く言い難い部分があります。
なぜそうなったのかは、曰く言い難しといったところです。
少し古風な表現なので、普段の会話では「何とも言いにくい」「簡単には説明できない」などに言い換えることもできます。
「曰く」と「云く」の違い
「曰く」と「云く」は、どちらも「いわく」と読まれることがあります。
ただし、現在の一般的な文章では「曰く」のほうが目にする機会が多い表記です。
「曰く」の意味
「曰く」は、「言うことには」という意味で、誰かの発言を紹介するときなどに使います。
また、「曰く付き」のように、「隠れた事情や理由」を表す場合もあります。
「云く」の意味
「云く」も「言うことには」という意味で使われる表記です。
ただし、現代の一般的な文章では、「曰く」のほうがなじみのある表記といえます。
「曰く」と「云く」はどう使い分ける?
現代の文章で「いわく」と書く場合は、基本的に「曰く」としておけば分かりやすいでしょう。
古典や歴史的な文章などでは別の表記が使われることもあるため、文章の種類に合わせて確認することが大切です。
曰くと似ている表現との違い
| 表現 | 意味 | 使い分け |
|---|---|---|
| 曰く | 言うことには | 発言を紹介するときに使う |
| によると | 情報源を示す | 客観的で無難 |
| とのこと | 聞いた内容を伝える | やわらかく丁寧 |
| ~だそうです | 聞いた情報を伝える | 会話でも使いやすい |
曰くと「によると」の違い
「曰く」と「によると」は、どちらも誰かの発言や情報を伝えるときに使えます。
ただし、「によると」は比較的客観的で無難な表現なので、ビジネスや文章でも使いやすいのが特徴です。
曰くと「とのこと」の違い
「とのこと」は、誰かから聞いた内容をやわらかく伝えるときに使いやすい表現です。
丁寧な文章にもなじみやすいため、ビジネスシーンでは「曰く」より使いやすい場合があります。
曰くと「そうです」の違い
「~そうです」は、誰かから聞いた情報を伝えるときに日常会話でもよく使われます。
「曰く」よりも一般的で、自然な会話に取り入れやすい表現です。
曰くに関するよくある疑問
本人曰くは失礼ですか?
「本人曰く」そのものが失礼な表現というわけではありません。
ただし、文脈によっては本人の発言から少し距離を置いているような印象を与える場合があります。
目上の人や取引先などに対して使う場合は、「本人によると」「本人がおっしゃるには」などに言い換えると安心です。
目上の人に「曰く」は使えますか?
使うこと自体が間違いというわけではありません。
ただし、相手への敬意を強く示したい場面では、「おっしゃるには」「によると」などの表現のほうが自然な場合があります。
本人曰くとはどういう意味ですか?
「本人曰く」とは、「本人が言うには」「本人の話によると」という意味です。
本人の発言を第三者が紹介するときに使います。
曰くは古い言葉ですか?
「曰く」は少し古風な印象を持つことがありますが、現在でも使われている言葉です。
特に文章やSNSなどで「本人曰く」のような表現を見かけることがあります。
曰くはビジネスで使えますか?
使えない言葉ではありませんが、ビジネスメールや公式な文書では、「~によると」「~とのことです」などに言い換えるほうが無難です。
「自分曰く」は使えますか?
「自分曰く」は、一般的な文章では少し不自然に感じられることがあります。
自分自身のことを表現したい場合は、「自分で言うのも何ですが」「自分では~と思っています」など、内容に合った表現にすると自然です。
まとめ
「曰く」には、大きく分けて「言うことには」と「隠れた事情や理由」という2つの意味があります。
「本人曰く」は、そのうち「言うことには」という意味で使われ、「本人が言うには」「本人の話によると」という意味になります。
「本人曰く」は失礼な言葉というわけではありませんが、文脈によっては少し距離を置いた印象になることがあります。
特に目上の人やビジネスシーンでは、「~によると」「~とのことです」「おっしゃるには」などに言い換えると、より自然で丁寧に伝えられます。
また、「曰く付き」や「曰くがある」では、「隠れた事情や理由」という別の意味で使われます。
「曰く」の意味を一つだけで覚えるのではなく、前後の文章を見ながら意味を判断することが、自然に使いこなすポイントです。

