「前述」という言葉を文章で見かけるけれど、具体的にどんな意味なのか、どう使えばいいのか迷ったことはありませんか?
特に「先述とは何が違うの?」「前述と先述はどちらを使えばいい?」「ビジネスメールで使っても大丈夫?」など、似た表現との使い分けで悩みやすい言葉です。
この記事では、前述の意味や読み方、基本的な使い方、例文をわかりやすく解説します。
さらに、先述・上記・上述・既述・前出・後述との違いや、言い換え表現、間違いやすい使い方までまとめています。
文章を書くときに「この表現で合っているかな?」と迷ったときの参考にしてください。
前述とは?意味をわかりやすく解説
前述の意味
「前述(ぜんじゅつ)」とは、前に述べたこと、すでに説明した内容を指す言葉です。
辞書では「前に述べたこと」「既述」「先述」などと説明されています。つまり、文章の中ですでに説明した内容を、もう一度すべて書かずに指し示すときに使う表現です。
たとえば、「前述の通り、この方法にはメリットがあります。」という文章なら、「前述」は、それより前に説明した内容を指しています。
同じ説明を繰り返さず、「すでに説明した内容を参照してください」と簡潔に示せるのが特徴です。
前述の読み方
「前述」は「ぜんじゅつ」と読みます。
「前」は「前に」、「述」は「述べる」という意味を持つため、「前に述べたこと」と覚えると意味を理解しやすいでしょう。
前述はどんな場面で使う言葉?
前述は、文章の中ですでに説明した内容を指すときに使います。
たとえば、レポートやビジネス文書、説明資料、論文、ブログ記事など、ある程度まとまった文章で使うことができます。
「前述の通り」「前述したように」「前述の内容」などの形で使われることが多い表現です。
一方、日常会話では「前述」という言葉をそのまま使うと、やや文章的に感じられる場合があります。
会話なら「先ほど話したように」「さっき説明したように」などにすると、自然でやわらかい印象になります。
前述の基本的な使い方
「前述」は、前に説明した内容を指し示すために使います。
特に、「前述の通り」「前述したように」「前述の内容」などの表現がよく使われます。
「前述の通り」の使い方
「前述の通り」は、前に説明した内容と同じであることを示す表現です。
例:
・前述の通り、この方法にはいくつかのメリットがあります。
・前述の通り、事前の準備が重要です。
・前述の通り、今回の変更には一定の条件があります。
前の部分ですでに詳しく説明している場合、「前述の通り」とすることで、同じ内容を繰り返す必要がなくなります。
「前述したように」の使い方
「前述したように」も、前に説明した内容を受けて、その内容をもう一度参照するときに使います。
例:
・前述したように、まずは必要な情報を整理することが大切です。
・前述したように、この方法にはいくつかの注意点があります。
・前述したように、計画を立ててから作業を始めましょう。
「前述の通り」と比べても大きな意味の違いはありません。文章の流れに合わせて使いやすいほうを選ぶとよいでしょう。
「前述の内容」「前述の方法」などの使い方
「前述」の後ろに具体的な名詞を続ける使い方もあります。
例:
・前述の内容をご確認ください。
・前述の方法に従って作業を進めてください。
・前述の結果を踏まえて判断します。
・前述の手順を参考にしてください。
このように、何を指しているのかを具体的にすると、読み手が参照する場所を理解しやすくなります。
特に長い文章では、「前述」だけで済ませるよりも「前述の方法」「前述の結果」のように対象を補うと、より親切な文章になります。
前述を使うときの注意点
前述を使うときに大切なのは、何を指しているのかが読み手に分かることです。
前に説明した内容が見つからなかったり、指している範囲が曖昧だったりすると、読み手は「どの部分のことだろう?」と迷ってしまいます。
たとえば、長い文章の中で突然「前述の内容」と書かれていると、どの説明を指しているのか分かりにくくなることがあります。
その場合は、「前述した準備方法」「前述の手順A」「前述の調査結果」のように、対象を少し具体化すると分かりやすくなります。
前述の例文
ビジネスシーンでの例文
「前述」は、ビジネス文書やメールなどでも使える表現です。
例:
・前述の通り、対応を進めてまいります。
・前述の内容について、ご確認をお願いいたします。
・前述の内容を踏まえ、次の対応をご提案いたします。
・前述の方法に沿って進めていただければ問題ございません。
・前述の件につきまして、改めてご連絡いたします。
文章の中で以前説明した内容を参照したい場合に使うと、簡潔にまとめられます。
レポート・論文などでの例文
レポートなど、説明した内容を整理しながら書く文章でも使えます。
例:
・前述した内容をもとに考察します。
・前述の方法が有効であると考えられます。
・前述の結果から、この仮説が支持されます。
・前述のポイントを整理すると、次のようになります。
・前述の調査結果を踏まえて検討します。
長い文章では同じ説明を何度も繰り返すと読みづらくなるため、前述のような参照表現が役立ちます。
ブログや一般的な文章での例文
ブログなどでも、「前述」を使うことはできます。
ただし、読者に親しみやすい文章を意識するなら、使いすぎないほうが自然です。
例:
・前述の方法を使えば、作業時間を短縮できます。
・前述したように、準備をしておくことが大切です。
・前述のポイントを確認してから、次の手順に進みましょう。
文章の雰囲気に合わせて、「先ほど説明したように」などのやわらかい表現と使い分けるとよいでしょう。
前述と先述の違いは?どちらが正しい?
前述と先述はどちらも正しい
結論からいうと、「前述」と「先述」はどちらも正しい言葉です。
「前述」は「前に述べたこと」を意味し、「先述」は辞書で「前述に同じ」と説明されています。つまり、両者の基本的な意味は非常に近い表現です。
そのため、「先述は間違い」「前述だけが正しい」と考える必要はありません。
前述と先述の意味の違い
「前述」は「前に述べたこと」、「先述」は「先に述べたこと」という意味で使われます。
ただし、辞書上では「先述」が「前述に同じ」とされているため、意味そのものに大きな違いがある言葉ではありません。
たとえば、
「前述の通り、準備が重要です。」
「先述の通り、準備が重要です。」
のように、似た使い方ができます。
前述と先述の使い分け方
前述と先述について、「前述は一般的で、先述は必ずフォーマル」というように明確に分けられるわけではありません。
実際には、文章の流れや書き手の表現に合わせて使われています。
そのため、どちらを使うか迷ったときは、文章全体で自然に読めるほうを選ぶことが大切です。
特に一般的な文章では「前述」を使えば意味が伝わりやすく、すでに「先述」を使っている文章なら、その表現を統一して使う方法もあります。
迷ったときはどちらを使えばいい?
「前述と先述のどちらを使えばいいか分からない」という場合は、まず「前述」を選ぶと分かりやすいでしょう。
ただし、先述も正しい表現なので、使ったからといって間違いになるわけではありません。
大切なのは、読者が「何を指しているのか」を迷わず理解できる文章にすることです。
前述と先述の違いを比較表で確認
| 言葉 | 読み方 | 基本的な意味 | 使い方の例 |
|---|---|---|---|
| 前述 | ぜんじゅつ | 前に述べたこと | 前述の通り |
| 先述 | せんじゅつ | 先に述べたこと。前述に同じ | 先述の通り |
辞書では「前述」と「先述」は類語として扱われ、「先述」は「前述に同じ」とされています。したがって、両者をまったく別の意味の言葉として覚える必要はありません。
先述とは?意味・読み方・使い方
先述の意味と読み方
「先述」は「せんじゅつ」と読みます。
意味は「先に述べたこと」で、辞書では「前述に同じ」とされています。
つまり、すでに説明した内容を指すための言葉です。
「先述の通り」「先述したように」「先述の内容」などの形で使えます。
「先述の通り」「先述したように」の使い方
「先述の通り」は、前に説明した内容をもう一度参照するときに使います。
例:
・先述の通り、この方法にはメリットがあります。
・先述したように、事前の準備が重要です。
・先述の内容を踏まえて判断します。
「前述の通り」とほぼ同じように使えるため、文章全体の表現を統一することを意識するとよいでしょう。
先述の例文
ビジネス文章なら、次のように使えます。
・先述の件について、改めてご確認ください。
・先述の内容を踏まえて対応いたします。
・先述した内容について、補足いたします。
レポートなどでは、
・先述の結果から、次のように考察できます。
・先述した方法を用いて分析を行います。
・先述の条件をもとに比較します。
などの使い方ができます。
先述を使うときの注意点
先述も前述と同じように、指している内容が明確であることが大切です。
前に述べた内容が複数ある場合は、「先述の内容」だけでは何を指しているのか分かりにくいことがあります。
その場合は、「先述した調査結果」「先述の方法」「先述した問題点」など、対象となる言葉を補うと読み手に伝わりやすくなります。
前述・先述・上記・上述・既述・前出の違い
「前述」と似た表現には、「先述」「上記」「上述」「既述」「前出」などがあります。
意味が近いため混同しやすいものの、それぞれ少しずつ使われ方が異なります。
前述と上記の違い
「上記(じょうき)」は、ある記事などの上、または前に書いてあることを指す言葉です。
一方、「前述」は「前に述べたこと」を指します。
たとえば、
「上記の内容をご確認ください。」
「前述の内容をご確認ください。」
のように使えます。
「上記」は「上に書かれている内容」を指す場合に分かりやすく、「前述」は「前に述べた内容」を指す表現として使われます。
前述と上述の違い
「上述(じょうじゅつ)」は、以上に述べたこと、またはすぐ前のところで述べたことを意味します。
そのため、前述と上述はかなり意味の近い言葉です。
例:
・上述した通り、今回の方法にはメリットがあります。
・前述した通り、今回の方法にはメリットがあります。
どちらも前に説明した内容を参照する文章として使えます。
前述と既述の違い
「既述(きじゅつ)」は、すでに述べたことを意味します。
「前述」と「既述」は意味が非常に近いため、文章の中ですでに説明した内容を指すときに使えます。
「既述の通り」「前述の通り」などの表現が考えられます。
前述と前出の違い
「前出(ぜんしゅつ)」は、文章で、それより前に示してあること、またはそのものを意味します。
たとえば、
「前出の人物」
「前出の資料」
などのように使えます。
「前述」は「述べた内容」に焦点があるのに対し、「前出」は前に登場した人物や資料など、具体的な対象を指すときにも使われます。
前述と後述の違い
「後述(こうじゅつ)」は、あとで述べることを意味します。前述とは反対に、これから後の文章で説明する内容を示す言葉です。
たとえば、「詳細は後述します。」と書いた場合は、「詳しい内容はこのあとで説明します」という意味になります。
「前述」はすでに説明した内容、「後述」はこれから説明する内容、と覚えると分かりやすいでしょう。
前述・先述の言い換え表現
「前述」や「先述」は便利な言葉ですが、文章の中で何度も同じ表現を使うと単調になることがあります。
そんなときは、文脈に合わせて言い換えてみましょう。
| 表現 | 特徴 | 使い方の例 |
|---|---|---|
| 前述 | 簡潔な文章表現 | 前述の通り |
| 先述 | 前に述べた内容を指す | 先述の内容 |
| 上記 | 上に書いた内容を指す | 上記をご確認ください |
| 上述 | 上で述べた内容を指す | 上述した通り |
| 先に述べた | 少しやわらかい | 先に述べた内容 |
| 先ほど説明した | 会話に近くやわらかい | 先ほど説明した方法 |
「先に述べた」「前に述べた」
「先に述べた」「前に述べた」は、「前述」「先述」をやわらかく言い換えたいときに使いやすい表現です。
例:
・先に述べた方法を使ってください。
・前に述べた内容を確認してください。
文章を少しやわらかくしたいときに向いています。
「先ほど説明した」「先ほどお伝えした」
会話や会話に近い文章なら、「先ほど説明した」「先ほどお伝えした」などの表現が自然です。
例:
・先ほど説明した方法を試してみてください。
・先ほどお伝えした内容をご確認ください。
「前述」よりも親しみやすい印象になるため、読み手との距離を近くしたい文章に向いています。
ビジネス文章で使いやすい言い換え
ビジネス文章では、文章の内容や相手との関係に応じて、「上記の内容」「先にお伝えした内容」「先ほどご説明した内容」などに言い換えられます。
ただし、相手に対して「先ほど」と使う場合は、実際に直前の会話や連絡で説明している内容なのかを確認することが大切です。
やわらかい文章で使いやすい言い換え
ブログや一般向けの記事では、「先ほど説明したように」「先に紹介した方法」「すでに説明した内容」などにすると、読み手に伝わりやすくなります。
「前述」という言葉を無理に使う必要はありません。
前述・先述の間違いやすい使い方
「前述で述べた」は正しい?
「前述で述べた」という表現は、「前述」と「述べた」が重なっているため、文章としては避けたほうがすっきりします。
「前述」はすでに「前に述べたこと」を意味するため、「前述の通り」「前述したように」「前に述べたように」などにすると自然です。
「前述前述」のような重複表現に注意
同じ言葉を意図せず繰り返すと、文章が読みにくくなります。
たとえば「前述した前述の内容」のように、「前述」を重ねる必要はありません。
「前述の内容」「前述した内容」など、意味が伝わる形に整理しましょう。
何を指しているのか分からない使い方に注意
「前述の通り」と書くときは、前の文章に対応する説明が必要です。
たとえば、記事の冒頭で突然「前述の通り」と書いてしまうと、読者は「どこで説明したの?」と迷ってしまいます。
また、長い文章の中で前述を使う場合も、どの内容を指しているのか分かりにくくならないよう注意しましょう。
必要なら、「前述した〇〇の方法」「前述の調査結果」のように対象を補足すると親切です。
使いすぎると文章が読みにくくなる
「前述」は便利ですが、文章中で何度も繰り返すと、硬く単調な印象になることがあります。
「前述の通り」「前述の内容」「前述の方法」と続けるのではなく、必要に応じて「先に説明した内容」「上記の方法」などに言い換えると、文章に変化をつけられます。
前述・先述は会話でも使える?
日常会話ではやや硬く感じられる
「前述」や「先述」は、基本的には文章で使いやすい表現です。
日常会話で、「前述の通りです。」「先述した内容をご確認ください。」などと言うと、少し改まった印象になることがあります。
そのため、普段の会話では、「さっき話したように」「先ほど説明したように」「さっき伝えた内容ですが」などの表現のほうが自然です。
会話なら「さっき言ったように」などが自然
友人や家族との会話では、「さっき言ったように」「先ほど話したように」などの表現が使いやすいでしょう。
文章では「前述」、会話では「先ほど説明したように」というように、場面に合わせて表現を変えると自然です。
ビジネス会話では文脈に応じて使える
ビジネスの場面では、会話の内容や状況によって「前述の内容」などの表現を使うこともできます。
ただし、相手との会話であれば「先ほどお伝えした内容」「先ほどご説明した件」などのほうが自然な場合もあります。
相手にとって分かりやすい表現を選ぶことを優先しましょう。
前述・先述についてよくある疑問
前述と先述はどちらが正しい?
どちらも正しい表現です。
「前述」は「前に述べたこと」、「先述」は辞書で「前述に同じ」とされているため、基本的な意味は共通しています。
前述と先述は同じ意味?
基本的には非常に近い意味です。
「前述」は前に述べたこと、「先述」は先に述べたことを指し、辞書では「先述=前述」とされています。
そのため、両者を大きく違う意味として覚える必要はありません。
前述はビジネスメールで使える?
使えます。
「前述の通り」「前述の内容を踏まえ」など、以前説明した内容を参照するときに使用できます。
ただし、相手にとって何を指しているのか分かりにくい場合は、「先ほどお伝えした内容」など、より具体的な表現にすると親切です。
先述はビジネスメールで使える?
先述も文章で使える表現です。
「先述の通り」「先述の内容を踏まえ」などの形で使えます。
ただし、前述と同じように、読み手が指している内容を理解できることが重要です。
前述の反対語は?
前述と対になる表現として「後述」があります。
「前述」は前に述べたこと、「後述」はあとで述べることを意味します。
たとえば、「前述の内容をご確認ください。」なら、すでに説明した内容を指します。
一方、「詳細については後述します。」なら、このあとに詳しく説明することを示します。
前述と後述はどう違う?
前述はすでに前で説明した内容、後述はこれから後で説明する内容を指します。
文章の流れを整理するときに便利な、対になる表現として覚えておくと分かりやすいでしょう。
何度も「前述」を使ってもいい?
何度使っても間違いではありませんが、同じ文章の中で何度も繰り返すと、読みにくくなることがあります。
「上記」「先に述べた内容」「すでに説明した内容」などに言い換えたり、指している内容を具体的にしたりすると、読みやすい文章になります。
まとめ
「前述」は、前に述べたこと、すでに説明した内容を指す言葉です。辞書では「既述」「先述」などと同じような意味で説明されています。
「前述の通り」「前述したように」「前述の内容」などの形で使うことができ、文章の中で同じ説明を繰り返さずに内容を参照するときに役立ちます。
「先述」も「前述に同じ」とされているため、前述と先述は基本的に近い意味を持つ表現です。
また、「上記」「上述」「既述」「前出」などにも似た意味がありますが、それぞれ使われ方に違いがあります。
大切なのは、言葉を無理に使い分けることではなく、読み手が何を指しているのか迷わず理解できる文章にすることです。
文章が硬くなりすぎる場合は、「先ほど説明したように」「先に述べた内容」などに言い換えるのもよいでしょう。
「前述」と「先述」の意味を理解して、文章の目的や読み手に合わせて自然に使い分けてみてください。

