成人祝いは、成人を迎えた人の門出を家族や親戚でお祝いする大切な節目です。お祝いとして現金を贈る場合には、ご祝儀袋を使うことが多いでしょう。
しかし、いざ準備しようとすると、
「成人祝いのご祝儀袋には何と書けばいい?」
「名前はどこに書くの?」
「水引は蝶結びでいい?」
「中袋には金額をどう書けばいい?」
など、分からないことも多いものです。
この記事では、成人祝いのご祝儀袋の選び方から、表書き・名前・中袋・金額・お札の入れ方まで、実際に準備するときの順番に沿って分かりやすく解説します。
成人祝いのご祝儀袋はどう選ぶ?まず確認したい基本
成人祝いのご祝儀袋を選ぶときは、まず水引や袋のデザインを確認しましょう。
成人祝いは、結婚祝いのように「一度きり」のお祝いではありません。そのため、何度あってもよいお祝いに使われる蝶結び(花結び)の水引を選ぶのが基本です。
成人祝いに適した水引は「蝶結び」
成人祝いのご祝儀袋には、紅白の蝶結び(花結び)の水引が付いたものを選ぶのが一般的です。
蝶結びは結び目をほどいて何度でも結び直せることから、入学祝い・出産祝い・長寿祝いなど、繰り返してもよいお祝いに使われます。
一方、結婚祝いなどには、ほどけにくい結び切りが使われます。
成人祝いでは、結び切りではなく蝶結びを選ぶことがポイントです。
水引の色は紅白が基本
成人祝いのような慶事では、紅白の水引が基本です。
金額が大きい場合には、より格式のある金銀の水引が使われることもあります。
迷った場合は、紅白の蝶結びが付いた一般的な祝儀袋を選べばよいでしょう。
金額に合わせてご祝儀袋を選ぶ
ご祝儀袋は、包む金額に対して袋が豪華すぎたり、簡素すぎたりしないように選ぶことも大切です。
目安としては、少額なら水引が印刷されたシンプルなもの、金額が大きくなるほど飾り水引などが付いたものを選ぶとよいでしょう。
熨斗(のし)が付いたものを選ぶ
成人祝いは慶事なので、のしが付いた祝儀袋を選ぶのが一般的です。
のしは祝儀袋の右上に付いている飾りで、慶事に使われます。
成人祝いの表書きは何と書く?正しい書き方
ご祝儀袋の表面には、上段に「表書き」、下段に贈る人の名前を書きます。
成人祝いでは、表書きの候補がいくつかあります。
「御祝」「御成人御祝」「祝成人」はどう使い分ける?
成人祝いで使われる表書きには、次のようなものがあります。
- 御祝
- 御成人御祝
- 祝成人
「御祝」は幅広いお祝いに使えるため、迷った場合にも使いやすい表書きです。
「御成人御祝」は成人を迎えたことへのお祝いだと一目で分かる、具体的な表現です。
「祝成人」は短く分かりやすい表現ですが、祝儀袋の商品や地域、家庭によって表記の慣例が異なる場合もあります。
迷ったときは「御祝」または「御成人御祝」と書くと分かりやすいでしょう。
成人祝いに「寿」と書いてもいい?
「寿」はお祝い事で使われる表書きですが、成人祝いの場合は「御祝」や「御成人御祝」のほうが、何のお祝いなのかが明確です。
そのため、成人祝いとして用意する場合は、「御祝」または「御成人御祝」を選ぶと迷いにくいでしょう。
表書きは毛筆・筆ペンで濃く書く
表書きは、毛筆または筆ペンを使い、濃い黒色で書きます。
薄墨は弔事で使われることがあるため、成人祝いでは避けましょう。
文字は楷書体を基本に、読みやすく丁寧に書くことを心がけます。
表書きを書く位置と大きさ
表書きは、水引の上側中央に書きます。
下段に書く贈り主の名前よりも、やや大きめに書くと全体のバランスが整います。
水引に文字が重ならないように注意しましょう。
成人祝いのご祝儀袋に名前はどう書く?
表書きの下には、お祝いを贈る人の名前を書きます。
誰からのお祝いなのか分かるように、基本的にはフルネームで記入します。
個人で贈る場合の名前の書き方
個人で贈る場合は、表書きの真下にフルネームを書きます。
例えば、
「御成人御祝」
の下に、
「山田 太郎」
のように記入します。
名前は表書きよりも少し小さめにすると、全体が整って見えます。
夫婦で贈る場合の名前の書き方
夫婦で贈る場合は、夫の氏名を中央に書き、その左側に妻の名前を書く方法があります。
例えば、
山田 太郎
花子
のように、夫の氏名を中心にして妻の名前を添えます。
家庭や地域によって書き方の慣例が異なる場合もあるため、相手との関係性に合わせて分かりやすく記入しましょう。
2~3人で連名にする場合
複数人で贈る場合は、一般的には右側から目上の人、または年長者の順に名前を書きます。
人数が多くなると、全員の名前を書くと袋の表面が見づらくなるため注意が必要です。
4人以上で贈る場合は「他一同」と書く
人数が多い場合は、代表者の名前を書いたうえで「他一同」とする方法があります。
全員の名前を表面に詰め込むよりも、見た目が整いやすくなります。
必要に応じて、別紙に贈り主全員の名前を書いて中袋などに添えると、誰からのお祝いなのかも分かりやすくなります。
名前は漢字で書く?カタカナでもいい?
祝儀袋の名前は、基本的に正式な氏名を漢字などで記入します。
読み間違いを防ぐ必要がある場合などは、相手に分かりやすいよう配慮することも大切です。
ただし、表書きや名前を省略しすぎると、正式なお祝い袋として分かりにくくなるため、基本は楷書でフルネームを丁寧に書きましょう。
成人祝いの中袋(内袋)はどう書く?
中袋が付いているご祝儀袋では、包んだ金額や贈り主の住所・氏名を記入します。
中袋の表面には金額を書く
中袋の表面には、包んだ金額を記入します。
縦書きの場合は、中央に金額を書きます。
例えば1万円なら、
「金壱萬円」
3万円なら、
「金参萬円」
のように書きます。
金額は旧字体(大字)で書く
金額を書く際には、改ざんを防ぐ目的から「壱」「弐」「参」などの大字を使う書き方があります。
代表的な表記は次のとおりです。
| 金額 | 大字 |
|---|---|
| 1万円 | 金壱萬円 |
| 2万円 | 金弐萬円 |
| 3万円 | 金参萬円 |
| 5万円 | 金伍萬円 |
| 10万円 | 金拾萬円 |
現在では通常の漢数字を使う形式もありますが、より丁寧に書きたい場合は大字を使うとよいでしょう。
中袋の裏面には住所と氏名を書く
中袋の裏面には、贈り主の住所と氏名を記入します。
住所は省略せず、郵便番号も含めて分かりやすく書いておくと親切です。
特に親族以外からのお祝いでは、誰から贈られたものなのか分かるようにしておきましょう。
中袋がない場合はどうする?
中袋が付いていないタイプの祝儀袋の場合は、袋の裏面に住所や氏名などを記入します。
商品によって記入欄が設けられている場合は、その案内に従えば問題ありません。
成人祝いの金額の書き方と相場
成人祝いでは、贈る相手との関係によって包む金額も変わります。
1万円・2万円・3万円・5万円の書き方
代表的な金額の書き方は以下のとおりです。
| 包む金額 | 記入例 |
|---|---|
| 1万円 | 金壱萬円 |
| 2万円 | 金弐萬円 |
| 3万円 | 金参萬円 |
| 5万円 | 金伍萬円 |
| 10万円 | 金拾萬円 |
金額と実際に包んだお金が一致しているか、最後に確認しましょう。
成人祝いの金額の一般的な相場
成人祝いの金額は、贈る側と新成人との関係によって幅があります。
一般的な目安としては、次のように考えられます。
| 贈る側との関係 | 金額の目安 |
|---|---|
| 祖父母 | 1万円~10万円程度 |
| 叔父・叔母 | 1万円~3万円程度 |
| 兄弟・姉妹 | 5,000円~2万円程度 |
| 知人・友人 | 3,000円~1万円程度 |
ただし、家庭によって決め方は異なります。
親族間で以前から金額を決めている場合は、そのルールに合わせるのがよいでしょう。
2万円を包んでもいい?
2万円を成人祝いとして包むこと自体はできます。
2万円を包む場合は、中袋に「金弐萬円」と記入できます。
金額について迷う場合は、相手との関係や家族内の慣例などを考慮して決めるとよいでしょう。
4万円など避けたほうがよい金額はある?
お祝いでは、4という数字を「死」を連想させるとして避ける考え方があります。
そのため、4万円を避けるなど、縁起を気にして金額を選ぶ人もいます。
ただし、地域や家庭によって考え方は異なります。
相手が気にする可能性がある場合は、4を避けるなど、一般的な慣習に合わせると安心です。
成人祝いのお札の入れ方とご祝儀袋の包み方
ご祝儀袋を準備するときは、表書きだけでなく、お札の状態や向きにも注意しましょう。
お札は新札を用意する
成人祝いのようなお祝い事では、新札を用意するのが一般的です。
新札を用意することで、「この日のためにあらかじめ準備していた」という、お祝いの気持ちを表せます。
お札を入れる向きは?
お札を中袋に入れるときは、肖像画のある表面をそろえて入れます。
お札を取り出したときに、肖像画が見える向きにそろえておくと分かりやすいでしょう。
複数枚入れる場合も、すべて同じ向きにそろえておきます。
中袋はのり付けする?
中袋は、基本的にはのり付けしなくても構いません。
市販の中袋に封をするためのシールなどが付いている場合は、商品の指示に従いましょう。
ご祝儀袋の裏側はどちらを上にする?
慶事では、祝儀袋の裏側の折り返しは、下側の折り返しを上に重ねる形にします。
弔事とは折り返しの向きが異なるため、最後に確認しておきましょう。
袱紗(ふくさ)に包んで持参する
ご祝儀袋を持参するときは、袱紗(ふくさ)に包むとより丁寧です。
ご祝儀袋をそのままバッグに入れるのではなく、袱紗に包んで持ち運ぶことで、袋を汚したり折ったりするのを防げます。
成人祝いのご祝儀袋はいつ渡す?
成人祝いを準備したら、次に気になるのが「いつ渡すか」です。
成人式の前に渡してもいい?
成人祝いは、成人式の前に渡しても問題ありません。
むしろ、成人式当日は本人や家族が忙しくなることもあるため、事前に会う機会があるなら、そのときに渡す方法もあります。
成人式当日に渡す場合
成人式当日に渡す場合は、本人や家族の予定を考えて、落ち着いて受け取れるタイミングを選びましょう。
式典の直前など、慌ただしい時間帯は避けたほうが無難です。
成人式に出席できない場合
遠方に住んでいるなど、成人式の時期に直接会えない場合は、別の日に渡しても問題ありません。
郵送する場合は、現金書留など適切な方法を利用する必要があります。
渡すのが遅れてしまった場合
成人祝いを渡す時期が遅れてしまっても、無理に渡さないより、お祝いの気持ちを伝えることが大切です。
会えるタイミングで「遅くなったけれど、おめでとう」と一言添えて渡すとよいでしょう。
成人祝いのご祝儀袋でよくある間違い・NG例
最後に、準備するときに間違えやすいポイントを確認しましょう。
結び切りの水引を選ばない
成人祝いは何度あってもよいお祝いなので、基本は蝶結びです。
結婚祝いなどに使われる結び切りと間違えないようにしましょう。
薄墨で書かない
薄墨は弔事で使われることがあるため、成人祝いでは避けます。
表書きや名前は、濃い黒色の毛筆または筆ペンで書きましょう。
表書きと名前の位置を間違えない
表書きは水引の上、贈り主の名前は水引の下に書きます。
名前を新成人の名前と間違えないように注意しましょう。
金額とご祝儀袋の格を合わせる
包む金額に対して、ご祝儀袋が豪華すぎたり簡素すぎたりしないようにします。
少額ならシンプルな袋、金額が大きくなるほど格式のある袋を選ぶとバランスがよくなります。
お札の向きを間違えない
お札は向きをそろえて中袋に入れます。
新札を用意したうえで、最後にお札の向きも確認しましょう。
成人祝いのお祝い袋はどこで買う?
ご祝儀袋は、文房具店やスーパー、コンビニ、100円ショップなどでも購入できます。
コンビニや100均のご祝儀袋でもいい?
コンビニや100円ショップで販売されているご祝儀袋でも、成人祝いに適した水引や表書きのものを選べば使えます。
ただし、包む金額が大きい場合などは、袋の質感や水引の豪華さも確認するとよいでしょう。
文房具店・スーパーなどで選ぶ場合
店舗で購入するときは、
- 水引が蝶結びになっているか
- 紅白の水引か
- のしが付いているか
- 包む金額に合った袋か
を確認します。
金額に合った袋を選ぶポイント
ご祝儀袋は、単に見た目が豪華ならよいというわけではありません。
包む金額と袋の格が合っているかを確認して選ぶことが大切です。
成人祝いにメッセージを添えてもいい?
成人祝いでは、ご祝儀袋と一緒にお祝いの言葉を伝えるのもよいでしょう。
お祝いの言葉を添える場合のポイント
成人を迎えたことへの喜びや、これからの人生を応援する気持ちを、簡潔に伝えるとよいでしょう。
難しい言葉を使う必要はありません。
成人を迎える人へのメッセージ例
例えば、
「成人おめでとうございます。これからの人生が素晴らしいものになりますように。」
「成人おめでとう。これからも自分らしく、楽しい人生を歩んでください。」
など、相手との関係に合わせて言葉を選びます。
成人祝いのお祝い袋の書き方を最終チェック
ご祝儀袋を渡す前に、次の項目を確認しておきましょう。
表書きは正しく書いた?
「御祝」「御成人御祝」など、成人祝いに合った表書きになっているか確認します。
名前・住所・金額を書いた?
表面の贈り主名、中袋の金額、裏面の住所・氏名など、必要な項目を書き忘れていないか確認します。
水引・お札の向きは大丈夫?
水引は蝶結びになっているか、お札は新札か、向きはそろっているかを確認しましょう。
渡す準備までできている?
ご祝儀袋を袱紗に包み、渡すタイミングも考えておけば準備は完了です。
成人祝いのご祝儀袋は、表書きや名前の書き方だけでなく、水引・中袋・金額・お札の入れ方など、いくつか確認するポイントがあります。
とはいえ、基本を押さえておけば難しくありません。
「蝶結びの祝儀袋を選ぶ」「表書きを濃い字で書く」「贈り主の名前を記入する」「中袋に金額と住所・氏名を書く」ことを確認すれば、成人祝いのご祝儀袋をきちんと準備できます。
最後に全体を確認して、心を込めて成人の門出をお祝いしましょう。

